桜と烈は、炎と火影を布団に寝かせ、ふぅ…と一息ついていた。


「悪いな、桜。
助かった…」


空いた畳に胡座をかき、肩を自分でほぐした烈は、桜に感謝した。

炎と火影は、見た目は細いくせに、どちらも筋肉はほどほどについていて、重い…。
昔は軽々2人を抱える事もできたが、今はどうやら無理らしい。
桜が手伝ってくれなければ、途中で放り投げていたかもしれない。

まぁ、それでも良かったが…。


「いいえ!
あの、ほとんど役立たずで…」

桜はただ後ろから、たまに下に落ちそうになる2人を支えたりしただけで、ほぼ烈が運んでくれたのだ。


「何、言ってんだよ。
助かったんだから、感謝されとけ」

優しく笑い、近くに座った桜の頭を撫でた。

ぴくんっと桜は一緒躊躇したように、身体を反応させた。
烈は、頭に置いていた手を、静かに下ろす。


「…怖いか?」


真面目な顔で烈に問われて、桜は狼狽した。

「ちっ!違うんです!
なんか、男の人に触られた事ないから…というか…なんと言うか…」

かっこいい男の人に免疫がないから…というのもあったが、恥ずかしくてなぜか言えなかった…。