宴もたけなわな頃、桜は後片付けの洗い物をしていた。

次郎は遠慮したが、料理を作ってもらっておいてそれは出来ない、と桜はてきぱきと動いた。
それはとても機敏で、ずっと祖母と2人協力しあって、家事をしてきたんだろうと思わせる。



「ああ!ったく、お前ら酒弱いくせに、かなり飲みやがって!」

宴会場と化した広間では、酒の瓶が転がり、炎と火影は完全につぶれているようだ。

「次郎さん!
俺、こいつら部屋に転がしてくるわ!
桜、空いてる部屋借りたいんだが、案内頼んでいいか?」

烈は、台所にいた次郎と桜に声をかけ、軽くひょいっと2人をひっ掴む。

桜は洗い物の手を休めた。

「あ!はい!
えっと、次郎さん、ちょっとお願いしてもいいでしょうか?」

申し訳なさそうに、桜は次郎を見上げる。
その仕草が可愛くて、次郎はクスリと笑った。

「ええ、もちろんです。
ここは任せて下さい。
烈でもあの2人を担いでいくのは、大変だと思うので、手伝ってやって下さい」

「はい!」

桜はにっこり笑って、待っていた烈に駆け寄り、炎と火影の腕を烈の肩に回すのを手伝う。

「助かる」

烈は優しく笑い、桜もぎこちなく応え、広間を出て行った。