「1日1000円!煮るなり焼くなり好きにして良し!」

「「安!」」


店長の提案に思わず口を揃えてしまう。

煮るなり焼くなり、って。


私女だし、そもそもこの人と初対面だし、役にたたないし絶対いらないでしょ。

てか1000円って。



「店長、私なんか使えな...」

「買った」


は?



イケメンが店長に1000円札を渡し、ニヤリと笑った。
「好きにしていいんだろ?」

低い声で店長に尋ねると楽しそうに「もちろん」と呟いた。


いや、いやいやいやいや!
もちろん、じゃないでしょ!

店長!私今すごく身の危険を感じてるんですけど!
このイケメン!危ない人です!

「じゃ、行くぞ春子」


小春なんですけど!


「たまにはいいじゃない。いってらっしゃい、春子ちゃん!」


小春なんですけど!

てか、店長、何をそんなに笑ってるんですか!


私は何の返事も出来ぬままイケメンに腕を引かれ店を出た。