「春子ちゃーん、店開けるわよー?」
「え?ああ、はい」
ボーッと立ち尽くす私に手を振りながら、店長が店の扉に掛かる CLOSE の立て札をひっくり返した。
今日もいつも通りの一日が始まる。
人生甘くない。
ってよくいうけど、本当にその通りだと痛感してた。
どうして私ばっかり、って思わず口に出してしまうくらいだった。
私の人生はカカオ100%かっ!って突っ込みを入れたくなる位だ。
でもやっと最近、一人暮らしを初めて仕事にも慣れて、普通の生活が送れるようになった。
やっと1人になれた。
そんな風に思っていた。
この生活から、もう何も変わって欲しくない。
もう、何もいらないから、ずっとこのままで。
って。
_________カランコロン
「いらっしゃいませ」
でも、私の人生はこの人によって簡単に変えられてしまう。
耐えきれない程甘く、
眩しすぎる位暖かい彼に。
