店の奥からケーキの焼けた匂いがする。

店長がミツコに餌をあげてる。



いつもと変わらない和やかな日常。






「コーヒー入れて」




いつもと変わらない



「春子、聞いてる?」



なごやかな...



「おい、客をシカトか」
「うっさい今やるわ!てかまだオープン前だし!ロリコン!」
「ミツ、このお嬢さんに客への対応の仕方教えてないの?」


日常を返せ!クソ鬼ロリコン!


あの日以来、クソ鬼ロリコンは毎朝オープン前にうちの店に来てコーヒーを飲んでいくようになった。

しかもブラック。

もう、それうちの店じゃなくてもいいじゃん!
「甘いもの苦手」
って、うちの店じゃ無い方がいいじゃん!


「やっぱり恭ちゃんと春子は良いペアになると思ったのよねー!息ぴったり」

どこが!

「本当仲良いな、お前ら」

山本さんまで!

「春子コーヒーいれんの上手いよな」
「私じゃないし!コーヒーマシーンのおかげだし!」

「「「ぶはっ」」」


私以外の3人が揃って吹き出す。

なに。

なによ。

なんで爆笑なの。


ムカツク。


カップにコーヒーを注ぎながら3人の事を順番に睨む。

本当嫌い。
大嫌い!