「や、やだ」


絶対やだ。
なに、その罰ゲーム。なんで私が。そんなゲーム乗ってないし!

「どいてほしいんじゃないの?」


は!?

鬼!意地悪!最低!悪魔!あんたなんか大嫌い!

心の中では叫んでいるもののどれ一つ口に出せない。

「...っ」



脳みそまで麻痺してるみたいに、何にも考えられない。


「ん?」

どんなに睨み付けても、1ミリもこいつに効果は無い。


「なに?」
私の唇を、奴の親指が優しくなぞる。

「...っ」


触れられた所が熱を帯びたみたいに熱くなる。
勝ち誇った様な笑みを浮かべて私を見つめる。








「....恭、ちゃん..?」