今日の授業は無く、各部活動の説明と先生からの仮入部の説明だけだった。余った時間で好きな部活動を見学してこいということらしい。

2人はもう行ってしまった。
少し寂しい思いをしていると
誰かがぶつかって来た

「プギャッ!」

相手は体が大きいらしく飛ばされたのは奏だけだった。

「いててて…」

「あ」

「あ!」

「…わりぃ、大丈夫か?」

片手を奏に差し出し、困ったように眉を下げた。

その差し出された手を数秒見つめて
ハッと奏は大丈夫です!とその手を見ないフリをしてスカートのほこりをパンパン、と払った。

手を差し伸べたのに見て見ぬフリをされて腹がたったのか

「それにしても色気のねぇおぱんつちゃんだな」

「こら!待ちなさい!今日という今日は逃がしません!」

どこからか、砂埃を立てながらものすごいスピードと形相でこちらに向かってくる

「…やべっ」

「あ、逃げた」

奏は追いかけられているのが目に見えていたので理解していた。

「そこのあなた!総太はどこに行きましたかご存知ですか?」

「あ、そっちです」

ありがとうございます、と一礼し
「待ちなさい!」

と走っていった

奏は色気のねぇおぱんつちゃんを根に持って逃げた方向をしっかりと正直に指さしたのであった。

「色気のねぇおぱんつちゃん…」

確かに奏はあの総太という先輩に一瞬でも殺意が沸いた。

「誰かに見せるものじゃないしいいじゃないか!」

廊下に奏の声が響いた。