俺は恐る恐る、兄貴の部屋の前まで行ったんだよ。
静かに、聞き耳を立てて。
「なぁ、俊と付き合ったんじゃねーの?」
兄貴の声だ。何度聞いてもムカつく。
「付き合ってないし!なんでそうなるの!?
私は彼氏なんていらないの。
愛だのなんだのめんどくさいじゃない。
体だけの関係でいいのよ!」
暗闇に突き落とされた気分になった。
俺は……騙されたんだ。
「は?じゃあ、俊を騙したのか?
好きアピールして、体だけの関係にしたいがためにウソついたのか?」
「そうだよ?何がイケナイの??」
俺はその場から逃げ出した。
…俺の初恋は、最悪な形で終わった。
こんな初恋、思い出したくもない。


