「……量増えた」



私の手にぶら下がる二つのビニール袋。


その袋はどちらもパンパンだ。


「……やっぱ、走ったからかな?」




とはいえ、これ以上薬の量が増えるのは嫌だ。


よし、走らないようにしよう!


私は心に誓った。





あーあ。


お母さんに怒られるんだろうな……いろいろと。




今日、私は心に決めたことがある。

それを報告しなければならないのだ。








私はトボトボとした足取りで家に帰った。







「……ただいま」


「加菜!!おっかえりー♪ねぇ、聞いて!今日お母さんね、……」



この、かなりハイテンションな人がお母さん。



山中 花




私と正反対で、毎日うるさいくらいに元気だ。



お父さんは、もう居ない。



事故だから仕方ないんだけどね。