自分の部屋のドアを閉めた。
「……はぁ」
自然とため息が漏れてしまう。
咲夜のぎこちない笑顔、それが忘れられなかった。
ギクシャクしているわけではないが、お互いが寂しい気持ちをごまかそうと必死で……。
「……やっぱりギリギリに言った方が良かったのかな……?」
私にも、咲夜が私のことを第一に考えてくれていることは分かっている。
それに、私も先に話しておく方がいいと考えたから言った。
でも、その方が良かったとしても
「……最後までギクシャクしないでいたかったな……」
これが、わたしの本音だった。
「……このままサヨナラはしたくない」
本当はずっと一緒がいい。
けど、それは叶わない。
咲夜も私も……寂しいんだ。
その気持ちを隠して、頑張れって言ってくれた。
それだけで、充分なのではないか。
「……っくっ……つぅ……さ、咲夜ぁ……!……咲夜ぁ、咲夜ぁ……!!」
咲夜が私にくれたその愛情を思い出すだけで、涙はとめどなく溢れてくる。
「……っさぁ……寂しいよぉ……いやだ……よぉっ」


