咲夜は、笑いながら私の頭をワシャワシャと撫でた。
「それまでにいっぱいデートしようぜ!!」
「……ふぇ……うん!あの、そのことなんだけど、他の子たちには……」
「言わないでおくのか?」
私は少しうつむき気味に頷いた。
「……文化祭の、ライブのラストに言うから。生徒会の募集もかけなきゃいけないからね」
「分かった、黙っておく。……でも、生徒会の募集はかけねぇよ」
「……なんで?咲夜たち大変になるじゃん」
「そんなん、昔に戻ると思えば良いんだよ。実際、女子副は無かったんだし」
「……そう言えばそうだったね」
「お前が居なかったら時間はかかっちまうけど、でも、女子副は加菜のもんだよ」
「……私のもの?」
「そ。他の奴には務まんねー、お前の仕事だ」
「ありがと……」
少し小さな声になってしまったが、それでも彼は聞こえたらしく、優しく微笑んだ。
「ありがとっありがとっありがとう!!ほんっとにありがとう!」
咲夜にはお礼をしても仕切れない。


