家の近くの公園に着き、私たちは、ベンチに腰掛けた。
もう日が暮れてきていて、子供達はほとんどいなかった。
「……で、どうしたんだ?」
「じつは、ね……アメリカに行くことになったの」
いざ話すとなると、言いにくいものだった。
「?!は……アメリカ?!!」
「うん……。でもね、行ったらこの病気を治せるかもしれないの」
「そっか……いつぐらいだ?」
「12月。けど、準備とか手続きがあるから11月の途中には学校も辞めなきゃいけない」
咲夜と一緒にいられなくなるのを想像すると、泣きそうになる。
「すぐなんだな。……よし!頑張れよ?」
咲夜は笑って言った。
輝くような眩しい笑顔で。
「で、いつぐらいに戻ってこられるんだ?」
「詳しくは分からないけど、数年かかるらしいの」
「そっか……。じゃあ、次に会うのは元気な加菜なんだな!!俺、待ってるよ」
「……うん。ありがとう……っ!!」
待ってるよのその一言で、私は気が緩んだのか、泣いてしまった。


