いつか、また会える日まで。




それから暫くして、私は退院することになった。




お互いに病気を治して、また会うことを約束した。






しかし、それ以降私たちは一度も会うことはなかった。










「奈月ちゃんね、春のこと、自慢のお兄ちゃんだって言ってたよ。


お兄ちゃんが悲しまないように自分は病気を治すんだって笑顔で言ってたよ。




死にたいって言った私に怒ってくれたよ。




……奈月ちゃんは、っ強い、子だったっ……よっ……」




春を落ち着かせようとして包み込んだつもりだったのに、私が泣いてしまった。









『ねぇ、加菜ちゃん。これ、持っていてくれない?』




『……なにそれ?』





『私手作りのブレスレット!!これ、私の宝物なんだー』




そう言って、奈月ちゃんはニコリと笑った。




『加菜ちゃん預かっててよ。いつか、また会える日まで。きっと会えるその日に、返して』





『分かった。じゃあ、私のも預かっていてくれる?』




私はそう言いながらずっとつけていたネックレスを外した。




『うん!!』







『……じゃあね。いつか、また会える日まで』



『うん、また会える日まで』