『……死んだら、どうなるんだろう……。この病気からは解放されるよね……』
私は立ち上がって、屋上へと向かおうとした。
どうせ病気なんだったらいつ死んだって同じ。
苦しんで死ぬぐらいだったら今、しんどくないうちに死んでしまいたい。
そう思っていた。
『お姉ちゃん、どこ行くの?』
『えっ?!』
立ち上がってすぐのことだった。
後ろから小学生ぐらいの女の子が声をかけてきた。
入院しているらしく、車椅子に乗っている。
『お姉ちゃん、私、森本 奈月っていうの。お姉ちゃんは?』
『私は山中 加菜だよ。奈月ちゃん、病気?』
『うん、脳に腫瘍があるんだって』
この日、私は森本奈月ちゃんという友達ができた。
妹みたいな守ってあげたくなる可愛い子。


