「僕、ね……っ、頑張れって、言ってあげられなかったんだっ……!辛いのは妹……奈月なのに……っ!僕っ泣いちゃって……!!奈月は、笑ってたのに……僕はっ僕は……!!」
「……僕もっ笑って頑張れって、言ってあげられてたら……っ奈月はまだ……生きてたのかな……」
私は春を優しく包むように抱いた。
「そっか。……だからあの日、私に怒ったんだね……」
あの日、私が転校してきた日、春は私に言ったよね。
『……そんなこと言わないでよ』
病気だからいても迷惑をかけるだけ、足手まといだ。
そう言った私に怒ってくれたよね。
『僕たち、仲間でしょ?友達でしょ?…メーワクかけて何が悪いの?!足手まといって………何だよそれっ!』
いつも穏やかな春が怒ったときに、やっと気付いたんだ。
ああ、私は言ってはいけないことを言ってしまったな……って。
「……大丈夫、奈月ちゃんにその気持ちはちゃんと伝わってるよ。お兄ちゃんに今でも愛されてて奈月ちゃん嬉しいんじゃないかな?」
あることを思い出しながら。


