「成績的には有り難いんだよ。筆記試験だけで済むのは」
そう。
私の評価は体育実技が出来ないため、筆記試験だけで決まる。
だから、筆記試験で8割以上取れたら、通知表で5がつくのだ(五段階評価)。
「でも、その体育のソフトやバレー、バスケとかのゲームは好きだったからな……」
「……そっか……」
春が悲しそうに言った。
「まあしょうがないし、あとは残りを全力で生きるしかないんだけどね?」
私は空気を変えようとおどけたように言った。
「殆どこの病気になった人がいないんだし、意外と成人を迎えられるかもしれないし」
「……加菜ちゃん、強いね」
春が言った。
「僕の妹も病気だったから。……二年前にいなくなっちゃったけど。……僕、妹のことを励ましてあげられなかったんだ……」
シーンと静まっている生徒会室で、春は話し始めた。


