だから私、凄く嬉しかったんだ。
夏祭りに加菜が笑顔で帰ってきたとき。
あぁ、こんな顔がまたできるようになったんだなって。
一緒にいる"仲間"が出来たんだなって。
加菜はもう、「私なんて……」なんか言わなくなってた。
さっき、デートのことで照れてたこと。
一生懸命服を選んでいたところ。
そんなところを見て、うれしくなってたんだ。
性格が違うっていうぐらい、人が違うっていうぐらい、加菜は明るくなってた。
頑張れ、加菜。
病気のことに対する頑張れと、恋愛のことに対する頑張れ。
頑張れ
私は加菜の手を握ってただひたすら祈るしかなかった。


