「加菜、そんな顔するな。大丈夫だから。お前は直ぐにいなくなんかならないし、もし、もしも離れ離れになってしまったりしても、誰も忘れたりなんかしない。」



そう言った咲夜は、優しく私の手を握ってくれた。


咲夜の手は震えていた。


それでも、咲夜のあったかい手は私を安心させてくれる。

落ち着ける。


「ありがとう、咲夜。」


私は泣いていた。

咲夜も泣いていた。


泣いていたけど最高の笑顔で、咲夜にありがとうを伝えることが出来ただろうか?


どこからともなく出てきて止まらない涙。

私達は、その涙を拭うことはなかった。