そして旅行当日。参加する友人に集合場所に着いたらメールしてと約束していた。彼女から「着いたけど、誰もいない(涙) 」 とメールがきてから家をでた。家から集合場所の埠頭まで近かったから、先に埠頭まで2町の友人に行ってもらったほうが良いかなと考えていた。埠頭に着くと、友人を探した。夏休みということもあり、ちょっと混雑しはじめた頃だった。

 奥のほうで集団でいる団体を見つけた。その中に彼女がいた。すぐに行って、夏休みの出来事を報告しあった。しばらくして参加メンバーが続々と来た。フェリー乗り場で、北海道から戻ってきたお客様の中に、どこかで見たことある男の子だな~と思ったら、友人と同じゼミに所属する福士関係の学科の子だった。後日、彼に聞いたらバイトとのこと。

 フェリー乗り場でチケットを確認したら、私は寝台ではなく2等、彼女は個室で、参加メンバーと違うことが判明。部屋に荷物を置いたら、自由行動。私は彼女と2人で船内を軽く1周して、ゲーセンへ。お菓子や、プラスチックの玩具を取る”スイート”と呼ばれるUFOキャッチャーみたいなゲームに夢中になって、気付けば半日で3000円弱注ぎ込んでいた。

 お昼になると1回集まった。私達は数分遅刻。

 
 「皆、どこにいるかわかる?? 」

 2人で集合場所周辺を見回した。集合場所である踊り場にいた集団の1人と目があって、手招きされた。全員揃ったということで、自己紹介。1年生は私と彼女の2人、2年生は男の子1人、3年生が4人。そして4大であるのに、なぜか5年生(研究生ともいうらしい……)が2人。そこに社会人学生のお姉様3人と先生の13人。

 さっき、手招きしてくれた人は、私と同じ学科の5年生か。白いTシャツにGパンと爽やかな格好で大人しそうな印象。見た目は、お地蔵さんみたい。なぜか、わからないけど、心の中で彼の名前おを繰り返した。

 お昼を食べ終えると再び自由行動。社会人学生のお姉様方から「今度は時間厳守してね」と釘をさされた。だから、彼女と私は5分前行動をと心がけようと話した。ゲーセンに行ったり、カフェで先生とお姉様方と話したり、買い物したり、それなりに満喫した。カフェでは、先生から珈琲をご馳走になった。先生方と別れて1人でテラスにでた。スカイブルーの空に白い雲。薄い青のような緑のような海の上にいることを改めて実感した。

 時折、風が吹いて涼しいけど、気温はそんなに高くない。でも良いことが起こりそうな予感がした。


 夕食はバイキング形式だった。一足先に食べ終えた2年生の先輩と3年生先輩、5年生の先輩4人は、デッキで煙草を吸っていた。その中に煙草を吸わずに、話を聞いている人が。昼間の彼だ。気付けば、私は彼を目で追っていた。


 「彼らは、学校でも吸っているの?? 」

 社会人学生のお姉様方と先生の会話がうっすら聞こえたけど、気にしなかった。夕食を食べ終えて、2等に戻った。他の部屋は満室なのに、私の部屋だけ、30代くらいの男性と私の2人だった。毛布が置いてあるだけで、他はご自由にって感じ。

 荷物を整理していると友人がきた。洗面道具とタオルを持って浴場へ。その途中、先輩方と擦れ違って、会釈した。

 
 浴槽はプールのように広かった。シャワーの脇にサウナがあった。午後10時まであいているけど、私達が行ったのは、午後8時40分頃。混雑していることは仕方ない。体を洗って入浴。すぐさま、窓際へ行った。空を見ても星は見えなかった。

 浴場をでて部屋に戻る途中、またまた4人組と遭遇。洗面道具を持っているから、これからなのかな??

 「お休みなさい」

 私達は先輩方に言って、それぞれの部屋に。部屋に戻って窓から空を見た。浴場で見えなかったから、ここも無理かもと諦めかけていた。でも、僅かだけど、星が見えた。明日も晴れるようにと願って、眠りについた。