12月に奈良・京都かぁ。

 12月の京都は高校の修学旅行で行った以来だから、2年ぶり。

 今回は修学旅行で行けなかった名所も行けるから行こう。

 北海道旅行に一緒に行った友人は、今回は断念した。そのかわりといってはなんだけど、北海道旅行を体調不良で参加できなかった英語科の同期の男の子が参加。

 そして、2年生の先輩(女性)と出会った。顔合わせでご一緒した席で、同じ高校の出身であることが判明して、意気投合。

 顔合わせは、文学が終わって夜9時に大学近くのマックだった。

 私1人で行くことが心細かったので、友人を巻き込んで顔合わせに。

 私達が到着した時に、あの先輩はすでにいた。今回は4人組みプラス 誰かの彼女さんも一緒なんだ。まさか、あの先輩の彼女??

 よ~く見ると、北海道旅行にサンダルで参加した先輩の彼女さんみたい。

 顔合わせでは、先輩はメロンソーダを、私は珈琲を飲んだ。


 その後、電話で高速バスの往復チケットを予約して、同期くんと2人で買いに行った。

 まさか、その姿を先輩に見られているとは思わなかった。


 そして旅行当日。同期くんとバスセンターで待ち合わせ。

 バスセンターから乗車して、新潟駅前で先輩方と合流。

 どうやら、先輩は1番後ろみたい。通り過ぎるときに「お疲れ様です」と声をかけた。

 先生は電車で行くから京都駅で合流とのこと。

 京都に着いた日は、先生と皆と一緒に行動。翌日は、「行きたい場所があるから、1人で行動したい」と我侭言って、先生に了承をえた。


 初日は奈良公園を歩いた。先輩と数メートル歩いただけで嬉しかった。

 でも、先輩、鹿に傘の先を差し出すことはしないでほしかった。いくら、鹿が餌をほしがっていた目で見ていたとしてもね。


 奈良で詠んだ歌

・ 「餌をくれ!!」 目で訴える 鹿たちに
    傘の先端 差し出した君


・数メートル 2人で歩いた ゼミ旅行
  偶然だけど  運命感じた



 京都に1人行動した場所は、嵐山。有名アイドルが所属する事務所公認のショップで写真とアルバムを買うために1万円ちょっと使った。勿論1回で全部購入ではなく、数回にわけてだけどね。


 駅のまん前にオルゴール記念館という、オルゴール好きな私が心ひかれた場所があった。

 ちょっと休憩がてら、中に立ち寄ってみた。オルゴールも素敵だったけど、そこで目をひかれたものは、着物の帯と皮を使った携帯ストラップ。

 店員さんが「皮の部分に文字をいれることもできますよ」と声をかけてくださった。

 大学のゼミ旅行で新潟から来ていて、気になる先輩もいるからと事情を説明した。

 店員さんは「プレゼントしたら」とアドバイスをくれた。先輩に似合いそうな柄は……う~ん、どれも似合いそうに見えるから。

 店員さんのおすすめは、全体が黒い生地で男性人気のストラップ。

 私は白だからいいんじゃないかということで2コ買った。

 私のストラップには『恋愛成就』と、彼にプレゼントするストラップには彼の名前をいれてもらった。

 ホテルで先生から「嵐山に行くから、そこで合流しよう」と言われていたことを思い出し、待機。

 ストラップを購入したお店の店員さんと楽しくお話したり、1人渡月橋に行ったり、嵐山駅でウロウロしたり。

 午後6時少し前に、先生たちと合流。先輩が1人になることは、そうそうない。このままでは渡すタイミングが……(涙)

 渡月橋を歩いた。ようやく先輩が1人になった。私は先輩を呼び止めて「似合いそうだから」と言って手渡した。先輩は一言「有難う」って、手招きした時のような優しい顔で。

 その場にいることが恥ずかしくなって、今回の旅行で仲良くなった1学年上の先輩のもとへ。

 でも手渡すときに、駅前でお姉様からいただいた海苔煎餅のかすが唇に少しついていたことに気付かなかったことを後で知った。今後は、気をつけないとね。

 プレゼントを受け取った先輩はポケットにいれたみたい。愛用しているかどうかまでは卒業するまで不明のまま。


 旅行後、ルーズリーフに書いた手紙の返事がきてないことに焦った私。冬休み前日に、再び手紙を書いて(今度は、レターセットを購入)、財布の持ち主で4人組のリーダーっぽい先輩に手紙を彼に渡すようにお願いした。

 年が明けて彼とは会わなくなった。『返事はいりません。ずっと想ってます』みたいな文面だったから、返事はなかったんだろうけどね。

 4月にお姉様から聞いた話だと、彼の実家はお寺で修行に行ったとのこと。

 卒業式の日時を知らなかった返事を聞くこともなく、未だに聞いてない。

 でも彼も見たかな?? と思われる北海道の星、月曜日午後7時すぎの大学駐車場から見えた星は忘れないから。

 手を伸ばせば届きそうだった北海道の星。でも新発田市の星は、届きそうもないくらい高いところにあったし、色も薄くて見えるか見えないか。

 まるで私と先輩の関係だよね。どんなに手をのばしても届きそうで届かない。

 先輩も私のことを忘れないでほしい。 ただプレゼントを手渡すときに、唇に煎餅の春日ついていたことは忘れてください。

 こうして大学1年生の恋は終わった。今も会えないけど、また会うことがあったら、一緒に星空を見たいです。