彼女と出会ってから、俺はおかしい。 たいして言葉を交わした訳でもなく、どこの誰だかもわからないのに。 つい、あの日の彼女の涙が気になってしかたがない。 モヤモヤした気持ちのまま、俺は気がつくと、あの中庭にいた。 <いるわけないか。> <なにをしてんだ。> 「アホらし。」 そうつぶやいて、歩き出した。