「お、奏多じゃん!はよ!」

「はよ」


コイツは、斎藤 陸【さいとう りく】。
俺の幼馴染で親友。
だから俺の本性も知ってる。

あ…美里だ。


「私ね…好きな人が出来たの」


…は?
好き…な人?


「…え⁉︎美里に…好きな人⁉︎」

「ちょ!声大きいよ…」

「あ…ごめんごめん」


コイツら…俺に気づいてねぇ。


「で?誰なの?」

「あのね…」

「へ〜!美里ちゃん。好きな人出来たんだね?」


…聞けなかった。
聞きたくなかった。

だから、声をかけちまった。