薔薇色の恋【短編】








「彼女を幸せにできるのは、俺だと思ってたんですけどね…。
違ったみたいでした。
俺は、彼女の幸せのために身を引きます。
ただ、それだけですよ

だから、慰謝料なんてもらいません。
むしろ、俺が払いますよ。
彼女を幸せにできなかったんだから。」



…。

その言葉を聞いて、固まった。


俺は、ばかだ。


なんの根拠があって、幸せにできるなんて言ったのだろう。

ただの勢いでしかないんだ。

本当に好きなら、

彼女の幸せを願うべきだ。

たとえ、しあわせにできるのが、俺ではなくても。

他のやつだとしても、

俺は彼女の幸せを願うんだ。

諦められるかはわからない。

でも、きっといつか、

心からおめでとうと言える日が来るはずだ。

だから俺は、

最後の最後に会いに行く。