Regret time - 取り戻せない時間 -

















「えっ、あの、いやっ

夏輝先輩が行っちゃうっ…」















「夏輝なんか、いつでも会えるからいいじゃん」















…あたしが今まで待ってた意味!















…まぁ、確かに 金髪さんが言う通りだし、いいかな。














「っ夏輝先輩!

…明日も来ます!」














「来んな」















夏輝先輩は歩きながら、そう冷たく言い放って



海を後にした。













「また、あんな冷たいこと…

ごめんね?うちの夏輝が」












そう言って、あたしの顔を心配そうに

のぞきこんだのは、茶髪の女の人。







可愛くて、女のあたしでもどきっとくるくらいだった。












でも、"うちの夏輝"なんて…






まるで、その女の人の"物"みたい…














「ねーねー、君、名前なんて言うの?」













「小日向 棗です」



















「小日向棗?

…めっちゃ、夏輝と名前似てんじゃん」

















金髪さんが目を丸くして言った。








…そうだっけ?























「あいつ、日向夏輝でしょ?

きみ、小日向棗。



結構かぶってんじゃね?」






















「…ほんとうだ!!!」


















どうして今まで気づかなかったんだろう。




















よく考えればそうじゃん!























一気にあたしのテンションは上がった。