Regret time - 取り戻せない時間 -












そういえば用って…なんだろ。





喋りたかっただけなんだけど、

この際 この人のこと もっと知りたい。













「お名前教えてください!

年齢も!」













「…俺、お前と会ったことないよな?

言う必要、ない」












ぐさり。



やっぱり 言葉遣いは冷たいんだ。

無表情だし。











でも これが この人なんだって
あたしは認知したから

傷つかないもん。










「…知りたいんです!」













「…はぁ…


日向 夏輝、20。

じゃ」












それだけ言うと、立ち上がった。












「っ夏輝先輩!…でいいですか?」












「は?…先輩じゃねえし」











「だって年上ですもん、」












「…もう 呼ぶ機会ねえから」













「あっ明日も来ます!」














「来るな」












「行きます!待っててください!

あたし、小日向 棗です!」














あたしは 夏輝先輩の 背中に向かってそう叫んだ。





何か言い返される前に、帰っちゃおう。






明日も会うんだし!











「…あ!おばあちゃんにお土産のソフトクリーム!!

…お姉さん!!」











あたしは 海の家にもう一度戻って

またまた ソフトクリームを買った。