しばらくその胸のざわつきを疑問に思い、
廣瀬くんが出て行ったドアを眺めていて
はっと我に返る。



「授業ー!!」


私は一目散に教室へと走っていった。



―ガラッ


ドアを開けた瞬間、みんなの視線が
こちらに向く。


ううぅ…。
見ないでほしい……


「牧口良い度胸してるな」


俯いていると、数学の授業をしていた先生が
私に向かってニヤッと笑った気がした。


さ、最悪
数学だったの!?私、数学苦手なのに…。