「ちょ、廣瀬くん、鍵…!」


指を指して訴えると彼は、ん?と首を傾げる。



「いや、だから鍵…!
なんで!?」


すると彼は、ああと言ってニヤッといつもの
意地悪な顔をする。



「一応ね。
莉未が逃げないように」


いや、逃げようなんて思ってないよ。
逃げようとしてもどうせ廣瀬くんに
捕まるのがオチだ…。




「ていうか話しって何よ」


廣瀬くんを見あげてそう聞くと今まで
意地悪そうに笑っていた顔がスッと
真剣な顔に変わった。


それを見て、何だかよくわからない
ドキドキが私を襲う。