廣瀬くんに引っ張られてついたところは
誰にも使われていない空き教室だった。



―ガラッ


ドアを開けて中に入るとやっと腕を離される。


ずっと掴まれていたので離されてもまだ
掴まれていた感触がはっきりと残っている。



腕をさすっていると

―カチャッ


そんな音が聞こえて音のしたほうを見ると
廣瀬くんが後ろ手に鍵をかけていた。