「縛り付けてそばにいてもらって嬉しいのか? そんなことしたって廣瀬もお前も苦しいだけだろ」 「う、うるさい!! 勝手にすればいいじゃない!」 星野の言葉に動揺した楓は体育館を 出て行った。 「星野!」 ふぅと溜息をついている星野を呼ぶ。 「ありがとな」 そう言うと、牧口さん、早く連れてけ。 と手をしっしと振ってきた。 そんな、星野に心の中でもう一度お礼を 言って俺は再び走りだした。