「俺たち別れよう」



……え?


教室に残っているクラスメイトが驚いた
表情で私たちを見ている。



「ていうか、俺お前のこと別に好きじゃなかったし。勘違いしてんなよ」



冷たい目で冷たい声で冷たい言葉を投げかけてくる。



私の目からはひと粒の涙が零れた。



「李玖ちゃんは私とずっと一緒にいるの。
邪魔しないでくれる?」


今まで可愛い顔で笑っていた楓ちゃんは
もうそこにはいなくて、廣瀬くんの腕に
自分の腕を絡ませて、にやっと悪魔のように
笑っていた。