「怖かったよな」


少し困った顔をしてわたしのブラウスの
ボタンを優しい手つきで止めてくれる。



「で、でも平気!
何もされなかったし!」


精一杯強がってみるけど実はすごく
怖い。今でも抑えつけられていた感覚は
はっきりと残っている。



「俺の前で強がんな」


真っ直ぐに見つめて言ってくれる廣瀬くんに
うん!と大きく頷いた。