―パチンッ



乾いた音が聞こえた後、「ごめんなさい」
と言って女たちと男たちは走って行ってしまった。



ふぅと力が抜けて、ペタンとその場に
座り込む。



「莉未!」


廣瀬くんが呼ぶ声にまた涙がじわりと
浮かんでくる。



廣瀬くんはそんな私をぎゅっと抱きしめてくれた。


「ごめん、俺のせいで、」


「廣瀬くんのせいじゃないよ。
わたし、廣瀬くんが助けに来てくれるって
信じてた――……」


わたしの言葉は廣瀬くんの温かいキスによって
遮られた…。