―パチンッ
乾いた音が聞こえた後、「ごめんなさい」
と言って女たちと男たちは走って行ってしまった。
ふぅと力が抜けて、ペタンとその場に
座り込む。
「莉未!」
廣瀬くんが呼ぶ声にまた涙がじわりと
浮かんでくる。
廣瀬くんはそんな私をぎゅっと抱きしめてくれた。
「ごめん、俺のせいで、」
「廣瀬くんのせいじゃないよ。
わたし、廣瀬くんが助けに来てくれるって
信じてた――……」
わたしの言葉は廣瀬くんの温かいキスによって
遮られた…。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…