女たちは近づいていく廣瀬くんを見て
引きつった顔をしている。



「李玖、ちがうの…これは…その…っ」


「なにが、ちげぇんだよ!!!」



必死に言い訳をする女たちに廣瀬くんが
怒鳴る。


そして私のほうへ顔を向けて


「莉未、こいつらどうしてほしい?」


と問いかけた。



「何もしないで…いい…っ
廣瀬くんと一緒にいられなくなるのは
嫌だ……でも、」


わたしは真っ直ぐに女たちを見つめて言った。



「一発殴らせて」