俺だけ見てろよ




「あの、仁坂さん」



まさか俺が話しかけてくるとは思ってなかったのか「え、王子!?」とびっくりして目を
見開いている。



こいつも莉未と一緒で他の女みたいにキャーキャー言ってこないから楽だ。



「あのさ、牧口さんってどこ行ったか
知ってる?」


俺がそう聞くと仁坂は、首を傾げた。



「莉未?
まだ来てないけど」


……は?


「いや、俺より早く着いてるはずなんだけど」


おかしい。


あいつがどっか寄り道してサボるとは
思えないし、


「え?
あの子はサボったりしないと思うし…。」


仁坂も俺と同じことを思っていた様子で
考えこんでいる。