「な、なんで私の上履き…」 「別れろって言ったよね?」 女の子たちはキッと目を釣り上げて 私の言葉を遮った。 「だから別れない、って言いましたよね?」 私の用意が遅かったせいで遅刻ギリギリに なってしまったので下駄箱にはほとんど人がいない。 だから、私たちがこうやって言い合いをしていても気づく人がいるはずない。 「へぇ。せっかく忠告してあげたのに」 女の子たちはそう言って意味ありげに笑った。