リビングのソファでぐったりしている季蛍。


もう、目がとろけそう。



「服、まくるよ」



そう言って、聴診器を耳に付けると、
季蛍がうっすらと目をあける。


「………やだ………」


今にも消えそうな声で、呟く季蛍。


「季蛍?大丈夫。すぐ終わるから」


服をまくり、胸に聴診器をあてる。


喘鳴は聞こえないから、発作は出てないみたい。



ピピピピ ピピピピ


「ん、なったね」


体温計を取り出す。


「季蛍、今から病院行くから。」

寝室から、季蛍のパーカーをもってきて、羽織らせる。


「…………」



いつもなら、嫌がる季蛍も、今日は、余程具合が悪いのか、抵抗をしない。