「…ごめんな、蒼。俺いたのに。」




「いやいや、港いて良かった。」




「………季蛍さん、猫アレルギー…だったんだな…」





俺がつぶやくと、蒼は、



「季蛍、小さい頃に猫飼ってて。

小さい頃からの猫アレルギー、酷くなってるんだよね。」




季蛍さんの頭をなでる蒼は、どことなく幸せそう。 





「…あ、季蛍。
猫に触れたの…?」





蒼が背中をさすりながら、季蛍さんにたずねてる。




けど、季蛍さんは、まだぐったりしてる。


 



「猫が、リビングうろうろしまくって、
季蛍さんの近く歩いたり、寄ったりしてたからな…………」





俺がかわりに答える。





「…そっか。

首んとこかゆいでしょ?」






蒼が、季蛍さんに、聞くと、季蛍さんはうなずいた。






「………ただれてる。


薬塗ってあげる…」



蒼が、かばんから塗り薬をだす。




「そっちの部屋使っていいよ。

そっちで塗ってくれば?」



部屋を指さすと、




「…え、いいの?



……………ありがとう……………」






そういって、蒼は、季蛍さんを連れ、
隣の部屋へと行った。