五分ぐらい、ずっと季蛍さんの発作がおさまることはなかった。
「ハァハァ…ハァハァケホケホケホケホケホケホ」
そのとき、インターホンがなる。
「私でてくるっ」
陽が、玄関へ走った。
ガチャ
リビングへ入ってきた蒼をみた季蛍さんの息が、余計に荒くなる。
「季蛍、もう大丈夫だよ」
蒼が手首で脈をとる。
「……季蛍~、落ち着け」
俺は、蒼と場所をかわる。
蒼が背中をさする。
…少ししたら、季蛍さんの発作も、さっきよりはおさまった。
「…季蛍、飲んで」
ポケットから出した薬を、季蛍さんの口の中に入れる。
そして、ペットボトルの水を、少し流すと、
むせながらも、季蛍さんが薬を飲み込んだ。
「…ハァ……ハァ…………ハァ……」
季蛍さんもだいぶ落ち着きを取り戻し、
蒼にもたれかかっている。
「びっくりしたな…季蛍。
もう、大丈夫」
季蛍さんの頭をなでる蒼。
季蛍さんは、安心したように、顔をほころばせる。