プルルル 



「はい?」


「あ、蒼。今いい?」



「…あ、うん」




「…季蛍さんが、猫…アレルギーで、発作起こしちゃって。



今、辛そうなんだけど…


呼吸が乱れてる…」





俺は、簡潔に伝える。



蒼は、すぐ、


「……猫、今同じ部屋にいないかな?」




と、返事した。

「あ、うん」





「…じゃあ、そのまま背中さすってて。


あ、あと意識は保つこと。


俺もそっち、今行くから。


あと10分ぐらい続くと、季蛍がもたないから。

頼んだ」





蒼は、そういって、電話を切った。






 

陽が、背中をさすっている。




「季蛍さん、意識は保ってて。


今、蒼が来るから。」






俺は苦しそうな季蛍さんを、落ち着かせる。





「…深呼吸。ゆっくり息して…………」





季蛍さんは、時間がたつにつれ、
息が荒くなる。






「…季蛍さん、落ち着いて。

ゆっくり、ゆっくり。」