またきた。



あの野良猫。




「…追い出そっか」





席を立ち、猫を捕まえに行こうとしたとき。








…ケホケホケホ…



…ケホケホケホ…ハァハァ…ケホケホケホ








「季蛍ちゃん、大丈夫??」








季蛍ちゃんが咳き込みだした。







港も心配そうな顔で、パソコン越しに、
季蛍ちゃんをみる。








「…………ケホケホケホ…ケホケホケホ」





一向におさまる気配がない。







港が席を立つ。







「…季蛍ちゃん、猫アレルギー?」





手首で脈を取りながら、港は、季蛍ちゃんに訪ねる。







季蛍ちゃんは、苦しそうな顔で、頷く。