陽さんは、ゆっくりだけど、服を少し捲ってくれた。
「ちょっとごめんね」
聴診器をあたためてから、服の中に入れる。
「息吸って~…
吐いて~…」
………………
…………………………
「よし、服なおしていいよ」
聴診器を再び首にかけ、カルテに記入する。
「陽さん、発作止めの薬、だしとくから、飲んでね。あと、吸入も。
港に伝えとくから。
寝不足は、だめだよ?」
陽さんは、少しホッとしたように、
「はい」
と答えた。
「………で…。
今から血液検査…するから、ちょっと待ってて…」
嫌がるのは目に見えてるが、陽さんにそう告げると…
「………っいいです!今度来たときに……」
と、首を横に振る。
「……港に頼まれてるから。陽さん、頑張ろう?…………」