車を降り、陽の乗っている後ろに行く。


助手席は、酔うからだめらしい。



後ろのドアを開けると、
顔色が少し悪い陽が。




「陽、大丈夫か?」



「…ん、少し酔っただけ……………」



体を支えながら、車を降り、病院へ入っていった。





「陽、ここ座って待ってて。
受付してくるね」



陽を待合室に座らせて、俺は受付へいく。



が、山瀬がいないので、
代わりに見てもらえる先生を探さないと。





ただでさえ、俺の診察を嫌がる陽が、知らない先生の診察を受けるとは、夢にも思えない。






だから、先生を探さないと。


といっても…


陽が、知っている先生は、数人に限る。





医局へ行き、
誰か…いないかと探す。





俺は元々仕事だったけど、今日は、運良く、午後からの外来なので、まだ時間がある。




医局の中を回って、探していると………







カルテとにらめっこする、1人の医者…。






「…蒼っ」






俺は、蒼の元へと歩く。





カルテに向けられていた視線は、俺のほうにうつる。



「…あ、港おはよう」





「………おはよう、あのさぁ…」






「……………ん?」






「…今日、外来ある?」






「…あぁ~、今日は、午前からだな。
でも、あと一時間ぐらい…かな」




時計をみて、蒼は、笑みをこぼす。 





「………そっか…なら忙しいな」




小声でつぶやいた俺は、違う先生を探す。




「…なんかあったの?」





蒼は、カルテにまた視線を戻し、
たずねる。




「………………ないけど…」