そんな所に蒼が戻ってきた。
「遅かったね?連絡してた?」
港くんがお皿を片しながら言う。
「ちょっと電話してて」
「呼び出し?」
「ううん、患者のこと。退院いつ頃か、って聞かれて」
「…そう」
時計をみると、時刻は九時半。
「季蛍、そろそろ帰る?」
蒼が言う。
「そうだね…あんまり長くいても、悪いし」
実際、陽さん疲れてそうだし。
私も疲れちゃったし…
「……じゃぁ、陽さんも港くんも、ありがとうございました」
私がそう言うと
「ありがと、本当」
と、蒼が言った。
「じゃ」
夜遅いので、静かに玄関を二人ででた。
そして家へ戻った。