「ごめんね、亮。」




少し火照った瑠璃の頬。




熱のせいか少し潤んだ瞳。




そして艶のある黒髪、




その細い華奢な身体。




背もそれなりでスラッとしている。




そんな瑠璃といつもいるせいか、




俺が彼女を持ったことはない。




瑠璃より上を行く奴がいなかったのだ。




今までの恋愛経験といえば、




幼稚園までさかのぼってしまう。




瑠璃の事で何度も呼び出された事がある。




「お前は瑠璃の何なんだ。」と、




聞き飽きるほど訊かれ続けた。




それだけ瑠璃は高嶺の花だった。