聡はそう言いながら、とろ〜りとした卵が乗っているハンバーグを箸で突き、割った。


『いやな性格してるな、お前』


『シキの前だとな、特に意地悪になるんだ、俺』


二人で笑いあった。  


聡は、こちらが課題の事で悶絶しているのを見て、口をもぐつかせながら話した


『未来の建物なら、シキは得意だろ?SFを山のように読んでるから挿し絵とかさ、映画とかでビジュアル面は完璧だろ?』


『そうでも無いんだよな、確かに聡がいう未来なら僕は描けるけど現実的な延長線上の、学問なわけだから、京都タワー的な塔やチューブを走る電車なんかは描けないわけだよ・・その現実的に解釈して描かないと・・・今の現状ではそんな未来はこないしね』


『だけどさ、シキが言うみたいに考えながらしていたら、いつまで経っても答えなんかでないよ?まずは始めろ?じゃないか??』


『確かに・・・そうかもなぁ、、』


『なんかさ、将来夢見た未来世界は、やはり、子供の時も今も、夢の世界で・・かわりないんだよな・・』

『つまり、SFは趣味の延長であるから、現実的には置き換えられないと?』


『そうだよ、なんだか難しいよな・・趣味と、課題のね・・・』 


聡はランチを食べ終えるとごちそうさま、とにんまりした顔で手を合わせた。


『シキ君、つまり、あれだよ、未来は、他の人間が決めるわけではないから、君の思う未来を、現実的な部分など考えずに、描いたら良いわけだよ?君には君にしか無い可能性があるからね・・・少年よ大志を抱け!!』


聡は急に、北海道のクラーク教論のポーズをした。


『まぁ、確かに俺は俺だしね・・・』


『シキはよい才能あるんだし・・・頑張れよ』


聡とは、大学生になり、ずっと一緒だった、普段はおちゃらけているが、たまに真面目に答えてくれるから居心地がよいのかもしれない。