"おっはよ〜♪"
いつものように、大きな声で教室に入った。これは、私の日課のようなものなの。それを聞いたら、みんな返事してくれてるから続いているようなものなのかもしれない。
いつもと同じように、友達と恋バナをしていると…

"真那、池宮が呼んでるよ。"

ドアの近くにいる友達から言われた。
どこかで聞いたことのある言葉、スチュエーション。何だろう。この、違和感は…
その時はそれほど気にならなかった。それが、どんなに重要な事だったとは知らずに。
池宮のところへ行った。

"呼んだ?"

"うん、呼んだよ。言いたいことがあるんだ。"

"なに?"

"野村が好き。"

この言葉にも聞き覚えがある。やっぱりこれは何かおかしい。どうしたらいいかわからず、机に倒れこんでしまった。それを池宮が優しく抱きかかえてくれた。恥ずかしかった。この後、何と返事をしたら良いかわからなかった。
私には彼氏がいて、とても幸せだ。今は、上手くいっていないとしても、彼氏とは離れたくない。ただ、池宮に告白されてすごく嬉しかった。不思議な気持ちだ。これから言うたったひと言に彼氏と、池宮と、私の運命がかかっているのだから。そこらへんを良く考えてだした答え。

ごめんなさい…

池宮は、一瞬驚いたような顔をした後に言った。

"あの時とは、返事が違うじゃないか。夢の中では、確かにYesと言った。なのにどうして… 夢の中の事は全て嘘だったのか?"

私には、何が何だか分からなかった。
夢?何でそんな言葉がでてくるの?
あの時って?私がいつ池宮の告白をOKしたの?今、初めて告白されたのに。状況がいまいち飲み込めない。

"池宮の言っている意味がわからない。私は、池宮に告白されたのは今だけだし、Yesとも言っていない。私は、ごめんなさいと言っただけ。"

池宮は、狂ったように言った。

"何でなんだよ!何がいけないんだよ!俺の愛が見えないのか?夢の中でしたことを覚えてないのか?なにもかも全て一緒だったよな?忘れたとは言わせないよ。"

少し怖かった。私は、一生懸命夢の事を思い出そうとした。けど、思い出せない。
その場から私は逃げ出してしまった…