「美樹ちゃんてさ、大人しい子?」


付いて来やがったぜこいつ。



「...全然大人しくないです。お喋りだし」



「そっか。


 人見知りっぽいもんね」



そうです、人見知りです。



だってしょうがないじゃん。



「じゃあさ、」


手を一回叩く王子さま。


何か閃いたのか?



「美樹ちゃんの僕に対する本音、言ってみて」



え、えええええ!?



いいの、言っちゃっても!?


ナンパ男って言っちゃっていいの?




「悪いことでもいいよ。


 ウザいとか」



「………」



「ん?


 何て?」



「…ナンパ男」



一瞬の沈黙。


うわぁごめんなさいごめんなさいごめんなさいィィィ!!!



「…フフ」


え、何この人今笑ったんだけど!!



そのまま大笑い。



「ハハハハハ!!!


 面白いな、ナンパ男って!!!」


手を叩きながら大爆笑。


ポカーンとする私。



「いやぁ」


涙拭ってるんですけど!!



「そんなこと言った子、初めてだな。


 『カッコいい』とかはあったけど」


「…すみません」



「え、全然いいよ。


 悪口になれてないから。


 ナンパ男って、褒め言葉じゃないけど悪口にもなれてないよね」



…もしかして、



「けっこう図太い…」


どうやら私の呟きを聞き取ってしまったらしい。


「そうだよー。


 僕性格悪いもん」



認めちゃったよこの人!!