そうして市場を抜けると、あとは城まで続く広い一本道だ。
同じようにローブを着て歩いている人が増え、皆少し強張った表情をしている。
少し先には街の広場が見え、そこに太陽の儀を受ける人が集まっていた。
「あれ、なんで皆聖堂じゃなくて広場にいるんだ?」
ラザクが尋ねると、タザが答える。
「まだ聖堂が開かれてないんだろ。
広場から城、つまり聖堂までの道は許可が無いと入れないし、広場が人の集まる空間として丁度良いってのもあるんじゃないか?」
確かに広場の先の道には立ち入り禁止の札があり、道の両脇には門兵らしき人も立っていた。
「それにしても、いよいよだな。」
タザの眉間にシワが寄り、目つきがより鋭くなる。
その瞬間ラザク以外の全ての人がタザから距離をとった。
「タザ、もう少しリラックスした方が良いぞ。」
周りの人達のためにな、とラザクは心の中で付け足す。
しかしタザは嬉しそうにラザクを見て言った。
「お、珍しく俺の事を心配してくれてんのか!はは!」
「……まあな。」
タザがあまりに嬉しそうなので、ラザクは言おうとした事を飲み込み、あやふやな返事をする。

