「…ザク…ラザク!起きなさい!何時だと思ってるんだい!」




母の、耳を突くような怒鳴り声が聞こえる。



ラザクはそれをぼんやりと聞き流して、布団を被り直した。




しばらくすると、母が歩いて来る音が聞こえ、部屋の扉が開く。



「あんた、今日は太陽の儀がある日だろう!早く起きなさい!」



母は掛け布団を勢いよく剥がすと、ラザクの頬を叩いた。




ラザクはたまらず瞬きをする。




「ご飯出来てるから、急いでおいで!」



そう言いながら掛け布団を丸めて持つと、母は忙しなく部屋から出て行った。




ラザクは徐々に意識がはっきりしてきて、今日が何の日か思い出す。




そうだ、今日は太陽の儀を受ける日だ。




重たい頭を上げ、ベッドから起き上がる。



服や髪の毛についた藁を払い、ベッドに戻した。




そして枕元に用意しておいた白いシャツと白いズボンを身に付け、台所へと向かう。