サンドムーン


"日落ち"は住宅街に入り込むと、低い家の屋根へと登り、屋根から屋根へと渡っていった。




ラザクもタザも足には自信があったが、なかなか追いつかない。




「ラザク、このままじゃ見失っちまう!


はあ…はあ…、何か良い手はないのか!」



タザの呼吸は乱れ始めていた。



スピードも少し落ちたのか、ラザクはタザに追いついて、横に並ぶ。



「まったく、考えなしに行動する癖治せよな!


とりあえずあいつの後は俺が追うから、タザは住宅街の外れにある川へ!」




「……は?どうして……はあ……川なんだ?」